築40年戸建、投資用戸建のリフォーム

収益用として購入し、既にリフォームが完了し賃貸中の物件をリフォーム前後の写真を比較しながら紹介します。

中古再販業者の方、戸建て投資家の方、そして一般の方で自宅のリフォームをどういう風にすればよいか悩まれている方の参考になれば幸いです。

今回のリフォームは「最低限」「コスパ重視」がテーマとなります。

以下はリフォーム前後の写真です。 (画像にカーソルをあてて、画像下部に表示される矢印ボタンをクリックすると次の画像が見れます。)

物件スペックは、

・地方人口15万人都市
・土地30坪、建物20坪
・築40年(過去にリフォーム履歴あり)
・駐車場1台
・ドラッグストア、大規模病院が徒歩圏
・駅までは歩いていけない距離

といったところです。

また、家賃や購入金額、サイクルコストなどの数字スペックは、

・家賃 5万円(年額60万円)

・物件金額 150万円
・諸費用金額 40万円
・リフォーム費用 110万円

・固定資産税 4万円
・火災保険 1万円

よって、実利回りは(60万円-4万円-1万円)÷(150万円+40万円+110万円)=

18.3%

です。地方における戸建投資では、このくらいの数字を求めていかねばやる意味が薄いです。(建物だけでなく、土地値の下落というリスクがあり、キャピタルゲインを狙うことが出来ないから)

本物件におけるリフォームの思想は前述のように「最低限」「コスパ重視」です。収益不動産とするために購入しているわけで、リフォーム費用をかけすぎるとその分は家賃に転嫁しなければなりません。

しかし、この物件は、駐車場が1台、築年数も40年と「リフォーム費用をかければかけた分だけ回収できる案件ではない」のです。

となると、費用対効果の高い箇所のみに絞ったピンポイントリフォームが求められます。

下記からは、一枚ずつリフォーム写真を見ながら、どのように考えてリフォームをした箇所、見送った箇所を選んだかの解説をしていきます。

また、一般の方が自身でリフォームをするときに、少ない予算の中でも最大の効率を上げるにはどうすればよいか、ということの参考にもなると思います。

外構・外壁


リフォーム費用を100万円程度に収めようとする場合、外壁塗装を実施することはできません。塗装は最低でも30~40万程度のコストがかかるからです。
とはいえ、やれることはいくらでもあります。外壁・屋根塗装は見送りましたが、樹木は伐採し、庭の除草をします。プランターなどは全て撤去。「整頓」するだけでも見栄えはかなり変わるのです。
外壁塗装をしない場合でも検討したいのが玄関ドアの塗装です。玄関は家の面(つら)です。少しでも印象を良くする努力をしたいポイントです。
玄関前を綺麗にして、ドアを塗装し艶を出しました。これだけでも劇的に印象が変わってきますね。

水回り


浴室のリフォームは最も費用がかかるところです。このくらいの浴室なら、スキルのある方だと上手く床をシート敷きにし、タイル補修、浴槽だけ新品交換などとして、安く仕上げることもできると思います。
私の場合はユニットバス交換一択です。ユニットバス本体代金、解体費用、水道工事、電気工事、土間コン打設、廃材処分、全部ひっくるめて40万以上は最低かかります。ただし、個人的に、私は浴室が新品UBというだけで5000円は家賃を上げる効果があると考えており、そこまでの家賃の上昇効果があれば40万円かかっても費用対効果が合うとかんがえます。また、新品故に故障もほぼなくなるわけで、その部分の対応を考えなくてよくなる効果も含めれば、個人的には新品交換一択と思っている部分です。
キッチンは浴室と合わせてリフォーム費用がかさむ部分です。ですが、この程度の状態なら…。
今回はクリーニングのみで対応、浴室と違い、直に身体をよりかからせるような部分ではないので、浴室よりは新品交換する優先度は下がります。
今までのリフォーム物件集で繰り返し説明してきましたが、洗面化粧台は本体も設置費用も安く、費用対効果が高いです。
新品の洗面化粧台に交換。脱衣室はクロスとCFも張り替えました。募集写真の中でもひと際「映える」写真になっていると思います。
トイレはリフォーム履歴があるようでそこそこ綺麗。ただし、私のポリシーで「肌を直に接着する部分はなるべく交換」があります。
ウォシュレットのみ交換しました。案内をする際にも「肌が接着するところなんて新品にしてますよ♪」というと喜ばれます。コストも2万円以下で交換できます。

室内


クロスの状態が比較的よく、フローリングも張替のリフォーム履歴がありました。
残置物を撤去し、クロスは簡易清掃、フローリングはワックスをかけなおすとこれだけ明るい印象になります。常にクロス張替が正解ではありません。
和室も残置物を撤去するだけで全然okそうな見た目。
畳の表替え、障子の張替、襖の張替を実施。畳はちょっとふかふか(中の板が多少よれてる)でしたが、見た目清潔感が出ればおーけーおーけー。
2階の洋室は2間。残置物撤去してあげるだけでよさげ。
クロスは既存。フローリングワックスのみに納めました。リフォーム費用を抑えることができれば家賃を下げて募集できる。家賃を下げられれば入居決定率・空き室率の低減につながります。

収益物件におけるリフォーム箇所の選別」について説明しながら写真を見て頂きました。

こうした地方戸建投資をする際、「ここの箇所はリフォームをするべきか否か」迷ったら、「かかる費用6万円あたり、家賃を1000円上げることができるか」で私は判定をしています。

これは要するに、利回り20%を目指して投資しているわけなので、6万円の費用をかけたらその20%の年間1万2000円、つまり月額1000円の家賃上昇効果を得られないならやるべきではない、ということが言えるからです。

リフォームのやり方だけではないですが、何かの問題に直面した時に「なんとなく」ではなく、明確な「数字上の答え」を持つことができると「迷う」ことがなくなります。

そして、その上で経験値がついてくると「数字上の答え」からはみ出した「自分の答え」を創り出すことができます。

上記のリフォーム写真事例、数字を用いたリフォーム箇所の判断などを参考に、自分なりのリフォーム手法を構築していってください。

また、一般のリフォームを検討している方においても 参考になれば幸いです。

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