築18年戸建、競売で取得した不動産のリフォーム方法について(リフォーム前後を写真で比較)

9月に競売にて築18年の比較的築が浅めの物件を落札しました。

中古再生販売業をやっていると、築15年くらいのものが「新築レベル」、築25年までが「築浅」、築35年までが「普通」みたいな感覚をもっちゃうので(笑)、このレベルの物件だと新築と築浅の中間くらいという風に感じます。

今回は、築年数が20年くらいまでの物件をどのような思想でリフォームをすればよいかを解説していきます。(一般の方がリフォームをする際の参考にもなるかと思います。)

早速ですが、下記はリフォーム前とリフォーム後の写真です。

リフォーム内容は

・クロス全室張替
・1Fのみフローリング重ね張り、2Fはワックス掛け
・水回り全て新品交換
・オール電化(エコキュート設置)
・外壁、屋根塗装
・外構の樹木伐採、除草
etc

かかったリフォーム費用は「360万円」でした。

再販用物件リフォーム記事の全てで語っていることですが、再生販売においてするべきリフォームは、

かけた費用以上に売価を上げることができるかどうか

基準はコレだけです。極論ですが、1億円リフォーム費用をかけて、売価を1億円以上上げることが出来ればそのリフォームは正解です。

とはいえ、「物件の価値を上げやすい(消費者から見てリフォームされていると評価の高い)リフォーム箇所」というものは存在します。

下記からは、一枚ずつリフォーム写真を見ながらどういったリフォームがコスパ(かけた金額以上に売価を上げることができるか)が良いか、について解説していきます。

また、一般の方が自身でリフォームをするときに、少ない予算の中でも最大の効率を上げるにはどうすればよいか、ということの参考にもなると思います。

外構、外壁


外壁というのは顧客が現場に到着し、一番最初に見る部分である。塗装をして綺麗になっているにこしたことはないのだが、とはいえ費用がかなり掛かる部分。はてさて、塗装をすべきか、我慢するか。
今回は屋根の塗装がかなりはげていた、軒下がカビで汚れていたため実行。屋根がスレートではなく、瓦なら塗装は実行していなかったと思う。このくらいの見た目なら外壁塗装はやらない、というのもコスパ的にはアリ。
一番費用対効果よく見た目を改善できるのは庭だろう。成長しきってしまった芝や、手入れのされてない樹木は思い切って全てカットすべき。
写真は砕石敷き詰めの途中だが、真っ白な砂利を一面に敷き詰めると「明るさ」が違う。そして、庭の整備費用と言うのはかかっても数万~十数万で、売価への影響は50~100万程度あると私は考えている。とはいえ、では塀を建てたり、おしゃれなエクステリアで着飾ったり100万近い費用をかけたりしても、そこまで売価は伸びない。重要なのは「清潔感」だ。

水回り


鏡に見苦しいオデブちゃんが映っているが…、気にしないで欲しいwこのくらいのお風呂だと新品交換をしない再販業者も多い。つまりコスパとしてはとんとん。かかるリフォーム費用と売価の向上が同じくらいと考えられている部分だ。ただし、UBが新品でないことを理由に断られるケースも多いのが現実、私はこれくらいだと新品に交換するタイプだ。
瑕疵担保責任的に考えても、かかる費用と売価の向上が同じなら、故障の確率が少ないであろう新品の方が「効率」は良い気がする。まぁ、なによりUBが新品だと本当に写真が「映える」のだ。顧客からの問い合わせはスーモなどのポータルサイトからがほとんどだ。写真の「映え」というのは中古住宅再販業において非常に大切な要素である。
洗面化粧台はほぼ必須で交換すべきなポイントだ。中古再販業において重要なのは「デザインセンスで尖らせる」よりも「弱点を潰すこと」である。かかる費用としても本体代金+設置費用+処分費用で5万もいかない。それをケチったばかりに顧客から「ここがリフォームしていないのはポイント低いわね」なんて言われたらたまったものではない。顧客は中古住宅を選ぶとき「減点方式」を採用することが多い。「減点」される箇所を、出来る限り安い費用で潰していくのだ。
たったの数万円でここまで雰囲気が変われば十分におつりがくるというものだ。
キッチンも浴室と同じく本体価格が高い故に、出来れば流用したいと考えてしまう箇所だ。ただ、UB交換と全く同じ理由になるが、かかるリフォーム費用と売価の向上が同じ程度と言われる部分であり、ならば新品に交換した方が後に余計なストレス(やっぱり交換したほうがよかったかなぁ、など)を抱えないで済む。
やっぱり写真が「映え」る。繰り返しになるが、顧客は「写真」を見て物件見学をするか決める。「映え」というのは本当に大事だ。写真を撮る技術力の差で年収が500万差がつくのが再生販売業だと思っている。
トイレもこれくらい綺麗なら流用しよう!となる再販業者も多いと思う。しかも洗面化粧台と違って、便器ごと交換するとトイレというのは意外に高い…。でもそんなの関係ねぇ!俺は新品が好きだし、顧客の「減点方式」が怖いんだ!数万円をケチって購入確率を数%落とすならば、やってしまったほうが効率が良い!(と私は考えている。)
やっぱり新品は綺麗でいいなぁ^^

室内


フローリングを貼りかえる(重ね張りする)かどうかは中々に悩ましいポイントだ。やるとしたら少なくともその階層全体をやらないと貼りかえていない箇所が浮いてしまう。やるかどうかの判断としては、上記写真くらいなら貼替(重ね張り)を検討してもよいのではないだろうか?
フローリングを白っぽいものを使ってもらった。明るさが段違いになった。かかった費用は1階全てのフローリング(約20帖分)を重ね張りにして、材料費込みで15万円くらい。コスパも悪くないのではないだろうか。
2階が1部屋和室だった。和室ゼッタイダメ。…絶対というほどではないが(笑)、顧客の「減点方式」にほぼひっかかるポイントだ。ただし、今回の場合は大壁であり、簡単に洋室化できるようになっている。
フローリングではなくコスト削減でCFを貼ってみた。でもこれで十分なのである。1階のリビングがCFだと「うーん?」となる人もいるが、2階の子供部屋用の部屋がCFなくらいなら原点はされないものだ。
2階のフローリングは全てワックスのかけなおしのみの処理だ。床の劣化も少なく、それで十分と判断した。
ワックスを掛ける前と後の写真を見比べると、明るさ・綺麗さが段違いなことが分かるはずだ。ワックスかけなおしだけでも意外にこれだけの清潔感を演出できるのである。
最後に、どんな状態であれクロスは全室貼替をするのが望ましい。35坪程度の家だと、全室張替で40万近くの費用がかかる。それでも、絶対にかかった費用以上の効果があるのがクロスだ。クロスがほんの少し汚れているだけで「減点方式」にひっかかってしまうものだからだ。
今までの写真も同様であるが、クロス張替前と後の差を見比べて欲しい。少なくともかかった費用以上に必ず取り戻せると感じないか。

「やるべきリフォーム内容」について語りました。中古再販業というものが「利益」を得るためにやるものである以上、「自己満足」のリフォームをしてはならず、「かけた費用」は必ず回収しなければなりません

上記を基礎として、自分なりの「コスパ」の良いリフォームを開拓していってください。

また、一般のリフォームを検討している方においても、「こういうリフォームをするとこのくらいの見た目になるのか」といったところで参考にして頂きつつ、費用対効果を見極めた上で、リフォームを実施して頂ければ幸いです。

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