中古住宅再生業(中古住宅買取再販業)での独立7

② 案内時のお客様への接客方法・営業方法

一般的な営業手法について語るのは他の営業マン育成サイトに任せ、今回は中古住宅再生業の営業マンとしての考え方・接客技術について書きます。

リフォーム済み中古住宅を見に来るお客様はどのような考え方を持っていらっしゃるのでしょうか。誰でもそうですが、予算になんの制約も無ければ誰しもが新築住宅、しかも超高級ブランド(セキスイハウス・一条工務店など)でお家を建てるはずです。しかし、現実は誰もがそうしたブランドで住宅を建てることは費用的な問題で出来ないわけです。

つまり、リフォーム済み中古住宅を見に来るお客様は、「値段(毎月の返済金額)」が住宅を探す上で、かなり重要な要素と感じている方だということです。(更に正確に言えば、値段対効果、つまりコスパを重要視する方が多い。)

なので、しっかりと他の物件と対比させた上で(立地的要素、建物・庭の広さ的要素も交えて)値段の優位性を説くことが大事です。

お金という制約が無ければ中古住宅を買う人間は居なくなる

その他、ほとんどのお客様が感じていることは、「中古住宅は中の水道配管や躯体が見えないから怖い」「築年数が建っている建物は耐震性や断熱性が弱いのではないか?」「白蟻被害とかは無いか?」「雨漏りは?」といった建物についての不安です。

さて、これらの疑問はなかなか断定的に「大丈夫です!」と答えることが難しい部分です。というのも、雨漏りや水道配管からの漏水などは、これはもういつ発生するか分からないからです。パッと見て問題がないように見えてもある日突然、雨漏り・漏水などが発生します。

もちろんリフォーム中にそれらの確認をして、もし問題があれば補修工事は行います。ただし、予防工事、つまり、売り渡した後100%雨漏りなどが起こらない用に屋根張替・水道配管の新品配管交換工事などをする、ということはほとんどの物件で行いません。その理由は、これらの工事は、クロスの張替や、外壁塗装といった標準的なリフォームと比べて、費用が非常にかかりすぎて、しかもそのリフォームを実行したとしても売り値を上げることはほぼ出来ないからです。

お客様がお金を出すものはなにか、それは「表層の見た目」にお金を出します。特に中古住宅を購入する層の方々は、超富裕層の人々と比べ「安心・安全」にお金を出すという考え方・発想を持っていない人が多いです。(安心・安全にこだわりすぎる人はそもそも中古住宅を買うのが向いてない人なので、そうした方には飯田グループなどのローコスト建売住宅を勧めてあげましょうw)

つまり、「安心・安全」対策を過剰に行っても、そのかけたコストを物件金額に上乗せすることが出来ないのです。(もちろんかけられるコストの中で極限まで、安心安全対策をすることは当然なのですが)

ですので、基本的には中古住宅再生業というのは、外壁塗装やクロスの張替などは行っても、屋根の張替、給排水設備の全交換などはやらないことがほとんどです。(ただし、築年数が30年を大きく超える物件の場合は交換することも多くなってきます。さすがにそのころになると雨漏りをしていない物件のほうがレアになってくるので。)

よって、前述のような建物の問題に対して不安を抱えている方には、

「新築住宅と比べて中古リフォーム住宅は100%の安心安全を保障するものではありません。万が一ですが、雨漏りや漏水などの危険性もある。ただし、販売後2年間は瑕疵担保責任といって重大な欠陥に対して補修義務が会社にはあります。その場合は無償で修繕の対応をします。また、その2年より後に起こった場合は自己負担での修繕となりますが、例えば雨漏りと漏水が同時に起こったとしても、補修の費用は数十万円です。新築住宅を購入すると、この物件を購入するよりも数百万円費用がかかってきますね?となれば、万が一問題が発生したとしても費用面で新築住宅を購入したほうがよかった、ということにはなりません。もし数年後そうした問題が発生したときでも、こちらの物件を施工した工務店をご紹介させて頂きますので安心ですよ」

という風に、言い方を工夫しながらお客様にしっかりと、「建物に不具合が生じることは起こりえる」「不具合が生じてもしっかり面倒見る」「そういうのが絶対嫌なら新築買え」ということを伝えて、理解してもらう話術が必要となってきます。

こうしたことを正直に話してしまうと、お客様が逃げてしまうんじゃないか?と思う人もいると思います。しかし、実際はそもそも中古住宅を見に来ているお客様は「資金的に新築住宅を購入できないor住宅にそこまでお金をかけたくない」から月々の支払いが少なくて済む物件を探している方なわけです。

なので、リスクの部分をしっかりと話すと怒られちゃうんじゃないか、買ってもらえなくなるんじゃないか、など考えすぎる必要性はありません。いったん、怖さを感じても結局は中古住宅しか選択肢が無いわけですから、必ず戻ってきます。むしろ、言わないで後から「こんなの聞いてなかった!!!」等とクレームが入るリスクの方が遥かに大きいデメリットとなります。

もっと言えば、営業経験の長い人は経験則として知っている事柄ですが、「デメリット部分を隠さず誠実に伝える(もちろんメリット部分もしっかり訴求する)」ほうが、メリットだけを伝えるよりも信頼性が高まるという事実があります。

リスクを話すことに対して過度に怖がらず、自信を持って誠実にお客様にメリットデメリットを説明しましょう。

どれだけ注意深く建物のリフォームを施しても、「物」である以上は100%の安全性を約束することはできない

纏めます。リフォーム済み中古住宅を案内する際の考え方ですが、

・コスパの良さを訴求する(単純な安さというわけではなく、周辺新築物件や他の中古戸建と比べて質的に割安だということを説く、もちろん物件の値段設定をするときも割安さを説ける設定とすることが大事)

・建物の安全性については100%安心を語るのは禁物(現実問題として100%安全なものなどこの世に存在しない)

・しっかりと「リフォームをしてあっても不具合の可能性は0じゃないことを説明する。」「もし不具合が発生してもしっかりと対応する。」「どうしてもそうした不安を抱えたくないなら中古住宅は買わない方がいいと、お客様が逃げてしまうことを怖がらずに伝える。」ことで、購入後の現実とのギャップを埋める。

ということが重要です。

今回までで、中古住宅再生業の骨子「仕入れ」「リフォーム」「販売」について、私が気を付けていることを書くことが出来ました。

次回からは、不動産業に従事されている方であれば読み飛ばして頂いて良い部分、「住宅ローン、引き渡しまでにやるべきこと、アフターフォロー」についてです。

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