皆さま、先日の台風19号ではお住まいの地域や皆さん自身は大丈夫でしたでしょうか?
私の地域でも床下・床上浸水、河川氾濫などが発生しましたが、その中で弊社事務所で雨漏りが発生してしまいました。
(以下は台風被害を時系列に写真撮影したものになります。)
雨漏り被害は発生しましたが、その後の火災保険(風災被害)申請により、無事雨漏り修繕に着手ができ、かつ大きめの手残りを発生させることもできました。
台風被害の火災保険申請は、保険申請代行業者なども居ますが、業者利用では、現在、非常に多くのトラブルが発生しています。
(例:全額降りる見込みで数百万円をかけて屋根修理を実施したところ、一円も火災保険がおりなかったなど)
今回は、台風被害発生から保険金請求、受取までの流れを全て自分で行う場合の説明をしていきます。
被害発生から火災保険の申請手続きの流れは以下のようになります。
①被害発生:まずは人命優先、被害拡大の防止、被害箇所の確認(必ず写真を撮影する)
②保険代理店に被害発生の連絡
③保険金請求資料の作成・提出(写真、及びリフォーム見積書)(代理店によっては保険金請求書や事故内容報告書なども自身で作る必要アリ)
④保険金の受取
被害発生
①被害箇所の確認及び写真撮影は必ず行います。なぜなら、特に雨漏り被害だと、乾いてしまうといったことがあるからです。
乾いてしまって、かつ外側からの台風被害の確認が出来ない場合は、火災保険の申請ができません。「本当に被害があったかどうか証明できない」からです。
故に、被害状況をしっかりと説明することができるように、被害の様子を写真に収めます。
保険代理店への連絡
その後、②保険代理店に被害の発生と状況を連絡します。写真を撮影してあれば説明が非常に簡単になります。
また、担当者サイドとしても今後どういう風にお客さんに動いてもらえばいいかの説明がしやすくなります。
保険金請求資料の作成
③写真とリフォームの見積書の提出をします。その建物の建築業者やリフォーム会社に連絡をして、雨漏りの修繕にかかる費用を見積もってもらいます。
ここでも写真が撮影してあると、「ここが雨漏りしてるってことはボードもダメになってますね…」「ここからの雨漏りだと外壁のここから雨水が侵入してることが考えられますね…」など担当者さんからの適切なアドバイスも受けることができ、見積もりも正当性が出てきます。
写真撮影をしていない、クロスも乾いていたりして被害状況が分からないといった状況ですと、もし保険会社の鑑定人が現地の調査をする場合に被害箇所の特定ができない場合、保険支払いの否決されてしまう恐れがあります。
保険金の受取
④基本的に、被害状況の写真撮影、リフォームの見積もりが適正な金額である、の両点がしっかりとしていれば、鑑定人さんなども現地の確認などせず(金額が多額の場合は調査が入る)すぐに保険金が口座に振り込まれます。
ここで、振り込まれた保険金は「被害」による対価であり、リフォームを実際にするかどうかは建物所有者に委ねられます。
私の場合ですと、外壁の笠木部分は修繕を実施しましたが、クロスは乾いて汚れなども余り目立たなくなってくれたため、貼替などはひとまず実施しないこととしました。
下記は工事見積書の画像です。
実際に振り込まれた金額は、臨時費用も含めジャスト100万円程となり、実際の外壁修繕工事は30万円と少しで完了し、差額の70万円は手残りとなりました。
もちろんこれは「適法」であり、今後クロスの張替を実施してもいいし、しないで懐に納めてしまっても良いお金です。
ただし、明らかに過剰な工事見積の違法取得、台風被害ではない経年劣化に伴う損傷部位を台風被害と偽って告知するといった行為は明確な「犯罪」です。絶対にしないでください。
以上が被害の発生から保険金の受取までの流れとなります。
リフォームの見積もりを作成してもらおうとしても、どこの業者さんに頼めば良いか分からないなどがあると思います。
ですが、代行業者に依頼をすると、代行業者の収益源というのは、建物所有者に降りてくる保険金の中から支払われる為(保険金の30%とするところが多い)、わざと高額のリフォーム費用の見積もりを作成して、実際には半額程度しかかけずにリフォームをし、差額が代行業者に流れる、なんてことをされてしまいます。
すると、保険業者も内容を精査してきて、最終的に減額されたり、虚偽申請とされて一円も保険金がもらえない、なんてことが発生することもあります。
火災や風災により被害を被った時、自身で被害箇所を説明したり、リフォームや解体の見積もりをとったりするのは一般の人には大変な事だと思います。
ただし、プロに任せれば安心という時代ではないことは、上記のように詐欺行為を働く団体が非常に多くなっていることからも明らかです。
なにかあった時に頼れるものは自分と、自分の知識だけです。万一の時に備えた知識を、楽しく学んでいきましょう。
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