サラリーマン時代から年収が3倍になった!しおいぬ社長の独立成功論!2

前回からの続きです。

本記事では、私がなぜ「中古買取再販業」で独立しようと決めたか、また「中古買取再販業」で独立するためにどのような勉強をしたかを書いていきます。

なぜ「中古買取再販業」で独立しようと決めたか


結論から言うと、「市場が急成長し、国策市場でもある。また、参入障壁が比較的高く、ライバルが多くなりにくい」ことが理由です。


日本は諸外国と比べ、不動産取引全体の中で、中古住宅の取引割合が10%以下と、中古住宅市場が非常に非活性な状態でした。(アメリカは90%、イギリス85%、フランス64%)

日本の中古住宅市場が外国と比べて、ここまで市場が小さい理由は、要するに「不動産営業マンのうさん臭さ」が原因でしょう。

相手の知識量の低さにつけこんで、嘘八百を言う営業マンが多い時代があった。

マトモな不動産知識・建築知識が無い営業マンがほとんど、即決しか求めない営業手法がスタンダード化(これは新築もだが)、「両手取引」しかやらない業者が多く信用性が無い(売り手も買い手も同じ業者なので、どっちの味方なのか分からなくなる)、アメリカのように「物件の売買履歴、修繕履歴」のデータベースが無く、中古住宅自体の信頼性が低い。

こういった要因により「どうせうさんくさいなら、新築を買えばまだ問題は少なそう」という消去法で、「仕方なく」新築住宅が選ばれてきたという、日本の不動産の歴史があるわけです。

しかし、現在はこの考え方は過去のものとなりつつあります。買い手がインターネットの利用により、非常に「賢く」なったので、知識のない不動産営業マンは淘汰されました。ネット上で事前に比較検討をした状態で買い手は物件見学にくるので、営業マンに判断を急かされても慌てずに対応できるようになりました。

あいもかわらず不動産営業マンは「うさんくさい」存在に変わりはないのですが、一般の人が不動産営業マン並の知識をネットによって得られるようになったので、今までうさんくさすぎて検討することが出来なかった中古市場も、「フーン、この値段なら悪くないんじゃね」というところにまではやってきたのです。

理由1
この日本人の意識の変革が起きたのが2010年代。このころからが中古住宅の取引市場の拡大期になり、現在までその拡大のスピードは衰えていません。

2010年代中頃になると、「中古住宅を購入した場合でも、住宅ローン控除が適用されるようにする」「中古住宅が入れる瑕疵保険(もし欠陥が見つかった場合に保険金がおりるもの)の設立」「中古買取再販業の売主に、不動産取得税の還付をする」といった、様々な中古住宅市場の活性化の施策がうれます。

理由2
ダイレクトに「お金」の部分に国からの補助がはいることで、「国策」市場としての安心が加わりました。

中古買取再販業は「自社」で物件を保有する性質上、それなりには資本力を要求されます。例えば弊社の場合、「リフォーム済み中古住宅」を6~7件在庫として保有しようとした場合、1件あたりの物件買取金額の平均が550万、リフォーム費用の平均が350万、諸経費の平均が100万円で、1件あたりの原価コストは約1000万、それを7件保有しようとすると7000万円の現金が必要になってきます。

さて、独立したばかりの中小・零細企業に7000万円の資金を調達する力はあるでしょうか。あるわけがありません。まだ市場規模も小さく、確立されたビジネスモデルというわけでもない「中古買取再販事業」にこの金額をポンと貸してくれる金融機関は皆無です。(私の場合は、「父親の資産家としての属性」を利用して、父を保証人にすることで資金調達をしました。反則チックですが、これも私の1つの才能だと考えるようにしています。)

また、「リフォーム」というのはまだまだ確立された相場の無い市場です。「中古買取再販業」の要であるリフォームの施工手段(協力工務店)を見つけるのは中々大変です。そこそこ技術力があり、ただし営業能力が乏しく自社でリフォームの受注ができない工務店さん、大工さんの技術力を買いたたくことにより、安く発注することができないと、買取再販で利益を出すことは難しいです。(個人がリフォーム屋さんに依頼するぐらいの金額でリフォーム発注をしてたら赤字になっちゃう)

理由3
中小企業が参入するには「資金力」がネックになり、また、安価な値段でリフォーム発注できる工務店さん、大工さんを探すのも中々難しい。これらの理由によって市場の参入障壁は比較的高く、ライバル業者が増え辛い。

特に「ライバルがいない」ことは非常に大事な部分だと感じています。ライバルが過多であるということは、最終的には「値段の割引」合戦に発展します。そうなってくると、大型デパートが商店街を滅ぼしたように、力の強い会社(資金力が強い会社)が最終的に生き残ります。

私たち中小零細企業が、資金力に勝る会社と真っ向からやりあっても勝てるわけがありません。そうした事実を認識しないで、根性論で戦い続けて倒産してきた会社は山ほどあります。蛮勇と無謀は違います。根性論では生き残ることはできません。

競争とは、勝っても疲弊してボロボロになり、負ければ死ぬというどちらになっても不毛でしかないゲームだ。

私が、中古買取再販業で独立しようとした理由を纏めますと、

上記3つの理由「市場の拡大性」「国策バックアップによる消費者の安心」「ライバル業者が(まだ)少なく、競争が激しくない」により、今後10年は先行者利益が非常に期待できる、特に地方特有のレベルの低さから中小零細企業でこの市場に参入することができる会社はほぼいない=地域一番店になりやすい(弱者の戦略)、と考えたことが私が「中古買取再販業」で独立しようと決めた理由です。

中古買取再販業で独立するために、どのような勉強をしたか


不動産売買仲介」に入社し、基礎的かつ広範な不動産知識の獲得、個人向け営業のスキルの獲得を目標としました。その後、不動産業の中で最もこれから伸びてきて、かつ個人の力でも起業できる業種をリサーチし、「中古買取再販業者」に完全に独立前提で業務内容や取り組みを「パクる」為に入社しました。


私は大学卒業後「不動産売買仲介営業」の会社に入社しました。

「不動産売買仲介」とは、家を売りたいAさんから物件を預かり、チラシをうったり、ネット広告を用いて、家を買いたいBさんを見つけることです。

文章で書くと非常に簡単ですが、

・家の売却希望を持つ人を見つけ出すリサーチ能力(主にネット広告からの反響が多くなってきている)

売却希望の人に一瞬で信用してもらい、物件を預かる人間力

・預かった物件のチラシ作成、ネット掲載をする事務能力

プロ級を要求される写真撮影能力(明るさなどの編集技術も)

・見学希望者と電話越しで一瞬で信頼関係を築き、属性(年収・頭金・家族構成など)を聞き出すコミュニケーション能力

見学希望者を一発で物件の虜にする演出力・演技力

・細かいミスも許されない、契約時にしっかりと法的な問題、建物的な問題を調査、説明できる洞察力と知識力

買主に金銭的な最適解を提案するための住宅ローンの知識、経験値

・引き渡しまで気をゆるまずに、売主・買主両方と連絡を取り合って万が一の破断が無いようにするマメさ

でかいクレームが来ても耐えることができる精神的なタフネスさ

上記が1つでも欠けると一人前とはみなされないハードな職業です。新人には上司が着くのでローン関係・契約関係はサポートがありますが、ちょっと慣れてきたら「はい、じゃあ次からは全部自分でやってね~」が当然、「誰も手伝わない・助けない」が当たり前の職種でした。

更に、私が入社した売買仲介の会社は「フルコミッション営業」でしたから、「売れれば天国、売れなきゃ地獄」、月の給料が100万円を超える月もあれば、0円が3か月続くこともありました。

それだけ大変な職種・職場でしたので、本当に体力的・精神的には辛かったのですが、「不動産の基礎的知識」「契約や住宅ローンの経験値」「対個人営業のスキル」はメキメキと付いていき、2年半の在籍期間で必要最低限度のノウハウは獲得することができました。

「不動産売買仲介」で働きながら独立の道を検討し出した時、「売買仲介だけで独立して食べていくのは弱い」と感じ始めました。

理由は、

・地元での独立を考えていたが、地方の不動産価格は非情に安く、仲介報酬である3%+6万円だけで食べていくには相当な件数をこなさなければならない

・売買仲介というのは昔からある市場なので、知名度のある会社が単純に有利、競合相手もたくさんいる。(とにかく、この競合が多いというのが不安要素として大きかった)

・特に私が独立して始めようとしていた「新築建売メーカーの下請け的仲介販売」は「腐るほど」という表現が正しい程に競合が多い。(とはいえ、新築仲介は資金力も必要ない・売り物を探す手間が省略できる・独立直後から利益を期待できるので、不動産業界で独立するには悪くない選択肢ではあると思います。実際弊社でも独立直後からやっています。)

といったものです。特に競合が多すぎる市場で独立をするということは、「死ぬまでライバルを相手に努力をし続けないと食ってすらいけなくなる」ということですから、そんな意味のない、辛いだけの独立をするなら一生サラリーマンでいたほうがいいわけです。

このまま独立しても、「食っていける」ことはできても、サラリーマンを大きく超える給料や、大きな規模での会社の経営は絶対に出来ないという確信が、「売買仲介」での独立には感じていました。

そんな時に、お客様から「そこまで住宅にお金はかけられないので、リフォームがされている割安な中古住宅はありませんか?」という仲介の依頼を受けました。

今では一般的となった「リフォーム済み中古住宅」というのは、少し前までは物件の数も少なく、一般の認知度は低いものでした。私自身もそういった物件の契約をしたことはなく、「面倒な依頼だな、、、新築買ってくれればいいんだけどな~」なんてことも思ってしまうくらいに経験値がありませんでした。

今でこそ、「住宅のリフォーム」は一般的な概念となりましたが、昔は「無料点検してわざと水道を壊して、リフォームの受注を取る」「無料点検といって屋根に上り、屋根を壊してリフォームを受注する」なんて業者も多く、今ほどの市民権は得られていないのが「住宅リフォーム」、そして「リフォーム済み中古戸建」でした。

それからお客様の要望に沿う数少ない物件の中からいくつかをピックアップして提案したのですが、ある「リフォーム済み中古住宅」を案内した時、お客様と、そして案内をしている私自身も「この物件はスゴイ!!!」と感じた住宅に出会ったのです。

それまで案内した「リフォーム済み物件」はクロスの張替やクリーニングがメインで、「まぁ普通に中古物件よりは清潔感があるよね…」といった程度でしたが、そのスゴイと思った物件は「水回り全部新品交換、フローリング全て貼り替え、クロス全室張替、外壁・屋根張替、玄関新品」などなど、要するにフルリフォーム、フルリノベと呼ばれるものが施されている物件で、「ほぼ新築みたいなものじゃん!」というのが私とお客様の感想でした。

そして肝心な値段は、近隣新築物件に比べて600万程度安く(月々の支払が2万円程安くなる)、お客様の希望の支払い金額にピッタリ合致し、その物件にて無事契約となりました。

ちなみに、その物件の売主が「株式会社やすらぎ」、今の社名は「株式会社カチタス」で、私がその後転職していく会社です。

「中古住宅買取販売業」のビジネスモデルに興味をもった私は、その物件担当者を契約後に食事に誘い、「どのくらいの値段で仕入れたのか」「リフォーム費用はあの内容だといくらかかるのか」「経費はどういったものがあるのか」と質問攻めにしました。(今思うと「初対面の人間に向かって相当変な奴だな…」と思われていたかも知れませんw)

いきなりの質問でしたが、担当者さんは業歴が長い方で「本当は社内秘だから内緒だよw」と言いながら詳しい数字や、色々なノウハウまで語ってくれました。

そして「利益率の高さ」や、「新興市場故の競合の少なさによる営業のし易さ」など、「売買仲介業」を遥かに上回る「独立の成功の可能性」をそこに見出し、私はすっかり「中古買取再販業」に夢中になってしまいました。

「カチタス」の物件の契約が終わった次の日に上司に辞意を表明、完全歩合制の会社で雇用契約もほとんどないようなものだったのでその後1週間で円満に退社。退社3週間後には「カチタス」で働きだしていましたw

その後、すぐに私は「売買仲介」の会社を辞め、「カチタス」へと転職します。(カチタスは当時成長段階の企業だったので人材不足、また業界経験者ということで、本当に簡単な面接のみで入社することができましたw)

「カチタス」には完全に独立前提で入社しましたので、人の倍のやる気と熱意を持って仕事にあたりました。結果、入社1年で店長代理、入社1年半で実質的な店長となりました(私の雇用契約では店長代理までの役職しかつけなかったが、エリア課長が店長兼任となり、私が実質的な店長となった)。様々なスキル、ノウハウ、人脈を短時間で効率的に得ることができ、入社2年で「もう完全に知識は吸収し終えた、人脈も構築できた、協力工務店も仲間にできた、独立できる!」というところまでもってくることができました。

その後の引継ぎに約半年程の期間がかかってしまいましたが、2年半という短期間で「中古買取再販業」のノウハウを完全に習得、その後無事独立を果たすことができました。

カチタスでは主に「仕入れ先の営業さんとの関係性の構築」「独立後の協力工務店の確保」「リフォーム相場の学習」「効率的な(コスパのよい)リフォームのやり方」などを行い、経験を積むということだけでなく、独立後すぐに動ける体制を作れることを意識した働き方をしました。

私が、「中古買取再販業」で独立するために、どのような勉強・経験を積んだかは、

不動産売買仲介」で、不動産取引の基本的なルール、契約の仕方、住宅ローンの知識、建物の知識、そして最も重要な「BtoC営業のセンス」を磨きました。「中古買取再販業」では売買仲介で身に着けた営業能力を土台として、「どうすれば良い仕入れが出来るか」「仕入れ先の獲得方法」「独立前提の人脈作り」「リフォーム工事の相場の把握」を徹底的に勉強しました。

長くなりましたが、以上が私の「中古住宅買取再販業」で独立した理由と、独立するための勉強・経験値を積んだ方法です。

次回は、実際に独立の直前・直後に気を付けたこと、実際に行った行動について書いていきます。

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