築42年、中古平屋戸建の仕入れとリフォームについて2

前回の続きです。今回は、リフォーム前後の写真の対比と、リフォーム発注時に気をつけていることについて書いていきます。

外観、庭


外壁塗装だけでは古臭さを払拭できなさそう、隣のお寺とのコントラストを考えた外壁の配色としたい、樹木は中途半端に手入れをするよりも伐根して庭スペースとするほうが開放感が出そうだ。
外壁張替と塗装を行い、白と黒のコントラストが美しいシックな印象になった。建物の顔である玄関も新品に交換することで重厚な見た目を得た。
庭の除草は大事です。人は見た目が8割、とはよく言われることですが、中古住宅は見た目が9割です。清潔感の無い物件は買いたたかれます。リフォーム直後だけでなく、販売中の物件管理も大事です。

玄関


内装は柱を基本的に隠す大壁にリフォームすることで、柱から出る古さを抑える。
玄関の新品交換、新品のシューズクローゼットを設置することで清潔感あふれる明るい玄関となった。

リビング


キッチンと和室を繋げてLDKとしたい。どの柱が抜けるのか、キッチンの位置はどこにするのかが考えるポイント。
2間を繋げて広く、南向きの明るいLDKとなった。ダイニング部分は約8帖と十分な広さ。
キッチンは対面式にしたい。勝手口は最近の流行では特に求められている設備ではないので、交換費用も多額にかかるし、思い切って潰す。
柱の位置の関係でキッチンスペースを広めに取ることとなった。もう少しリビング側を広く取りたいところだったが、建物の耐久性を優先した。

居室


続き間の和室を好まれる人も多いが、今回の物件では間取り数が少ないため、2間に分けることにした。
1間は洋室とし、寝室、居室としての利用が出来るように配慮した。
和室の京壁は古くささを感じてしまう人も多いのでクロス貼りに、襖もシンプルな白いものに張り替える。
洋和室のような装いに。明るく開放感のある和室となった。

水回り


お風呂が0.5坪程度の面積しかなかった。これではあまりにも狭すぎる。間取り変更を実施して、浴室を広くすることに。
1坪サイズのユニットバスを間取り変更によって入れた。浴室の広さが1坪を下回る(例えば0.75坪サイズなど)とかなり抵抗感を覚える方も多い。できうる限り1坪サイズ以上の浴室に入れ替えていくのが良い。
間取り変更により、トイレスペースは脱衣室に、和室の押し入れを潰してトイレスペースに。
押し入れをトイレスペースとしたせいで窓が無くなったが、浴室・脱衣室のスペース確保のために致し方なし。換気扇を設置することで臭いの問題が起こらないようにする。
洗面室も0.5坪程度しかない。これでは洗濯機を置くことが出来ず、相当売りにくい物件となる。迷うことなく間取り変更を決行。
窓の位置のせいで洗面化粧台を入口向きにつけることができなかったことがネックとなった。ただし、1坪の脱衣場にすれば、洗濯機を置いても洗面スペースは十分確保できる。

本物件は屋根とサッシ以外は全て入れ替えたと言っても過言ではないほどで、多額のリフォーム費用をかけました。上下水に関わる問題、間取り変更をどのようにすればいいかなど、問題もかなり発生し、しかし、そのおかげでとても多い経験値を積むこともできた物件です。

本物件はその性質上(市街地から車で5分超で周辺に生活施設が無い、平屋建てでファミリー向けではない)少し販売に要する期間もかかりましたが、最終的には市内で長い歴史を持つ学習塾のオーナーに購入して頂き、今は塾生の会合や、アトリエとして使われているそうです。

築40年が超えた物件でも、リフォーム次第ではまるで新築のような装いに生まれ変えさせることができます。

この物件の販売金額は1200万円程で、同等規模の建物を建築しようとしたら、どんなに安いメーカーで建てても土地とあわせて2500万円以上は費用がかかるでしょう。もちろん、1200万円の販売価格でも、しっかりと利益確保はできています。

現在、都心・地方を問わず空き家が増えており、需要と供給のバランスが崩れることで空き家の値段が非常に下がっています。土地の値段から解体費用を引いた程度の金額で物件を仕入れることができます。

また、今の段階でしたら、競合相手も地方ならばまだ少ないはずです。(都心部は競争が激化しつつあると感じています。)

中古住宅再生業、始めるのは、、、今、でしょ?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です