リフォーム
リフォームにおいて大事な要素は2つあります。
・どのようなリフォームを施すか、予算をどのように設定するか
・信頼できる工務店の探し方、仕事の発注の仕方
です。
①どのようなリフォームを施すか、予算をどのように設定するか
どのようなリフォームを施すかですが、基本的には中古住宅再販業というのは、デザイン性に過度にこだわったり、完全完璧清潔住宅にこだわる必要性はありません。中古住宅を購入する方は基本的に値段に魅力を感じて住宅を探されている方が多いですから、コストをかけすぎるよりも、自分の感覚で「これくらいは新品になっててほしいよな~」という部分がリフォームされていればそれで充分です。
とはいえ、簡単に言ってしまいましたが、リフォーム箇所の取捨選別は経験値が非常に重要になってくる部分です。というか、経験値が一切ないと、仕入れよりもアドリブが通用しない分、全くもって仕事になりません。しかし、一定以上の経験値を一度備えてしまえば、
「外壁・屋根塗装は必須、クロス全張替、フローリングはワックスかけて既存でいける、照明は全交換、水回りは浴室以外全交換、階段はCFにして手すりを設置、コンセントは全部コスモスイッチに、あとはいつも通りで~」
みたいな発注の仕方ができるようになります。つまり、大体のパターンが出来上がっちゃうというわけです。
どのようなリフォームをするか、というのは中古住宅再販のキモとなる部分ではあるのですが、長期的に見た場合は1,2年で得た経験値がずっと使いまわしていけるので、仕入れよりは重要度は下がるのかな、というのが私の感覚です。
この経験値の獲得方法ですが、
・買取再販業者や、リフォーム業者に勤めて勉強する
しか無いと思います…。リフォーム発注の経験値が無い人間が工務店とタッグを組むことは難しいからです。予算感覚や、どういう風にリフォームをすればいいのか分からない人間に付き合ってくれる工務店さんはそう多くはありません。中々机上の勉強で経験値を獲得することが難しい部分だと思います。
リフォームの予算についてですが、清潔感を出す以上のコストをかけるのはリスクが高いです。お金をかければかける程、リフォームの質・住宅の質を上げることはできますが、中古住宅は価格が一定以上にあると非常に売れ行きが鈍ります。(そりゃそうですよね、新築レベルの値段に中古住宅がなってしまったら、どんなに質の高いリフォームが施されていても、ほとんどの人が新築を買うでしょう。)
なので、基本的には前述のとおり自分でこの家に住むと考えて「最低限、これくらいのリフォームはされてて欲しいよな~」に絞ったコストのかけ方をしていくのがリスクの低いリフォームとなります。
画像の物件ですが、こんなスペックです。
・立地は地方人口15万都市(世帯の平均車の所有台数2台)
・土地30坪(駐車場台数1台)、建物20坪
・築約40年
・建てられてから数度のリフォームがされてきている
築年数的には更地にして土地用地にしてしまってもいい物件です。しかし土地が30坪しかないので、それは不可能(地方では基本的に土地が60坪以上は最低でもないと注文住宅用地になりえません)
となると、リフォームをして販売or賃貸するしかないのですが、例えばこの物件を、
「外壁塗装、屋根張替、サッシ交換、玄関ドア交換、水回り全交換、クロス全室張替、フローリング全部重ね張り、階段CF張替、畳入れ替え、襖張替、障子張り替え、駐車場・庭の整地と除草」
なんてリフォームを600万程度かけてやるとします。そうすると売価は1000万以上にしなければ満足な利益が出ません。でも、これだけ完璧なリフォームを施したのだから1000万以上で売れる!・・・わけがないんです。
理由は駐車場が1台、土地が狭い、間取り数が少ない、これだけで地方のファミリー世代の選択肢から外されてしまいます。
となると、この物件でのターゲッティングの正解は、
コストをかけずに清潔感だけを心掛けて売価500万円以下or家賃5万円以下の設定できるようなリフォームを施して、単身世帯、母子(父子)家庭、高齢者の単身or二人暮らしをターゲットにする
これが正解となるわけです。
こちらの物件はリフォーム後、すぐに母子家庭の方が賃貸として借りて頂けまして、最終的には購入も検討して頂いています。
纏めますが、
中古住宅のリフォームは「清潔感」がなにより大事、過度なコストのかけすぎは禁物。また、物件のターゲット次第でコストのかけ方も変えていく。
ことが重要です。
次回は、信頼できる工務店の探し方、仕事の発注の仕方についてです。
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