前回からの続き、中古住宅再生業の仕入れについてです
② 弁護士、司法書士、金融機関などからの任意売却案件持ち込みで仕入れる
この方法は余り多くはありません。というのも、相手の弁護士・司法書士・金融機関の立場になって考えた時に「設立間もない不動産業者が買主の立場に入って、段取り良く進まなかったら嫌だ」と考えるのは当然だからです。
こういった案件は開業直後であれば、他の不動産業者を経由して持ち込まれることが多いです。任意売却案件は比較的金額交渉の余地が少なく、中々話が纏まることが少ないのですが、しっかりと対応することによって直接連絡して頂けるようになる確率が高まります。
③家を売りたい人から直接仕入れる
この方法も余り多くは無いでしょう。というのも、不動産業界では「家を買いたい人は物を見る。家を売りたい人は会社を見る。」という格言があります。
商品が目の前に存在する場合は、会社や営業マンの質よりも目の前に存在する住宅という商品が良いか悪いかで判断はしやすいです。しかし、商品を売ってもらうという場合は、会社や営業マンの質が売却の結果に大いに影響すると考えてしまうのが人間というものです。(本当は買う場合に大差が無いのだから、売る場合も大差が無いと考えることが出来るはずです。こうした人間心理というのはとっても面白いし、儲けのタネにもなりますね♪)
要するに、家を売りたい人は、新しくできたばかりの不動産業者よりも昔からある老舗の不動産業者に相談をしに行く、ということです。
ということで、開業直後は直接の買取依頼は少ないですが、口コミの力というのはすさまじいので、相談があった場合はしっかりと親身になって対応します。
④不動産競売や公売で仕入れる
開業当時の仕入れはこの方法に頼るケースが多くなると思います。
物件情報が万人に公開され、入札にまで十分な時間もあるため現地の確認や法的な確認もしやすい。中に人が住んでいる状態ならば、挨拶して入れてもらうことによって建物の状態も細かく確認することもできる。リフォーム費用を煮詰める時間も取れます。他の老舗買取業者と金額のみの勝負で対等に戦えることができるのは大きなチャンスとなります。
逆に、金額のみで勝負が決まるので、「金額が高騰しやすい」という欠点があります。現に現在の競売不動産というのは金額がかなり高騰しており、利益を出し辛くなっていると感じます。
とはいえ、「この金額で買えれば間違いなくこれだけの利益は確保できる」という数字で何件・何十件と、何度落札できなくても入札し続けることで必ず何件は落とすことができます。「どうせ落ちないだろ…」とかそういう甘ったれた考え方は捨てて、何も考えずに入札しまくることが競売不動産のコツです。1件1件落札できなかったことを気にしてたらキリがありません。
別のデメリットも存在します。人が居住中であれば中の確認もできる可能性はありますが、空き家なことも多く、その場合は建物内部の確認が出来ません。残置物が大量にあったり、設備が壊れていたり、おもわぬ出費が発生することもあります。そういったリスクを許容できる、リスクを想定した値付けをする能力も求められます。
画像は内部の状況を確認することが出来ない状態で落札した競売物件です。10DK、建坪約70坪という大きな建物の内部に大量の残置物が残されていました。また、設備の損傷もあり、当初想定より大分費用がかさんでしまいました。
とはいえ、当時は「小規模デイサービス」の需要が増えており、そうした方に販売するチャンスがあるのではないかと考えていて、正にそのような希望の方に購入してもらい、しっかりと利益も確保することができました。
仕入れについての纏めをします。(これは、中古住宅再生業だけでなく、全てのビジネスに共通する事柄だと思います。)
・リスクを取る(自分で解決できるリスクを選別する)
・販売先のターゲッティングをしっかりと行う
・安く買う(買い叩くという意味でなく、絶対に赤字にならない余力を持った金額で購入する、赤字にならない明確な根拠と自信があるのなら相場よりはるかに高い金額で買ったっていい)
次回は「リフォーム」について解説していきます。
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